昭和62年(1987年)に、本校創立百周年の記念事業の一環として開設された「先輩文庫」のこれまでのご寄贈の図書は、分類整理されて、在校生が自由に手に取れるように本校図書館の閲覧室のケースにまとめられております。
回想・論説・学術研究・詩歌・辞典等、その多岐にわたる編、著書は、いずれも各界で活躍されている本校同窓の方々のかけがえのない足跡として、在校生の資質を育む糧となっております。
現今の活字離れは、本校生徒も例外ではありませんが、著者が先輩であることは、ジャンルを問わず書物に接する大きな誘因になっているとみられ、かなり専門的な著書でも読んでみようとする傾向がみられています。
著書という形になって現れた先輩諸兄の業績を後輩に伝え、優れた先輩をもつ学舎の生徒としての誇りと幸せを感得させるにとどまらず、著書の裏づけになっている著者の人生観・真摯な探求の様子が、後輩たちの人生観の確立に大きく貢献しているとみられます。
改めて紹介するまでもなく、一冊の本が、その人の人生を強く方向づけた例は、数多く知られています。文庫に収蔵された著書も、この例のように多くの後輩の人生に強く影響を与えていくものと確信致しております。
38,000冊あまりの本校図書館の蔵書は、その中身が明治・大正・昭和・平成4代の本校の歴史を映して多彩です。
「先輩文庫」の拡充は、4代の血脈の鮮度を高め、伝統に根ざす本校の発展を推進する大きな力になるに違いありません。
「先輩文庫」につきましては、昭和61年3月の磐高同窓会報で開設の趣意のお知らせを致し、さらにその後の本会報で、また各地で開かれる同窓会・同期会等で、同窓の方々の編、著書ご寄贈のお願いを致しております。
これまでの皆様のご支援に感謝申し上げます、とともに今後一層のご協力を賜りますようお願い申し上げます。
(磐高図書館) |